私が色々な仕事をしていて、こうなったら良いよなァ、と内心思っていることを書いてみる。
予測を活用する
作業というのは想定工数から割り出すと良いと思っている。
その際に重要な単位は「1人時」である。
プロジェクトは意味不明なタスクが割とあるが、30%~35%くらいは少なくとも定型的なものがある。 意味不明なタスクでも、細かく見ると、20%くらいは経験則があるものだ。
そういったものは、経験則でおおよそ「この作業Aを終わらせるにはX時間かかる」という目標工数が割り出せる。また、意味不明なタスクは、適当な見積もりでも良い。
次に、そういった作業は出勤スケジュールに振ると合計工数を弾き出すことができる。 チームで1日で何時間の作業が発生するか、である。この合計値を弾き出すことは重要であると考えている。
あとは、その日のメンバごとに割り振っていく作業にできるだろう。 ある作業についてのリスケジュールの判断もしやすくなろう。
そのように考えていくと、メンバの負担を削減することが出来るのではないか、と考えている。
苦しいパターンは、「この日に何をやります」という予定帳形式だと学んでいる。
これが出来るだけでも大事だが、「作業の内訳でどれが疲弊するのか」が見えない。 このような現場では、「X日までにYをやってください」と依頼されたとき、「無理なのでこれくらいさせてください」とは言えない。 結果、疲弊する割り振りが増える。「死ぬ気で頑張れ」になってしまう。
次に、開始と終了したことだけを聞くだけのことを仕事にする人間が現れることだ。これは本質的に手抜きマネジメントである、と私は思っている。これは無駄な人の役割である。
実際に重要なのは過程を掘り下げて、どのようにすれば円滑にうまくいくか、捌く判断をし、問題に介入することだと思っている。まあ私も出来ないのだが。
上記になるのは仕方がないこともある。なぜなら、ドメイン依存の暗黙知はエスパーするしかないからだ。それが多すぎるカルチャーでは、人は「徹底的に投げるだけになる(そしてなぜかやたら休む…)」か、「なぜなぜを考えまくる」の2パターンに別れる。私は前者に苛立っていることが多いタイプだ。なるべく、後者にはなりたい、と思っている。
TiDD
タスク管理はやはり「チケット制」が王道で実際良いと思う。私が業務利用した経験があるのはRedmineだが、ZiraでもBacklogでも良い。 メリットはいくつかあると思う。
- 担当者とフローが明確である
- 何をしているか、全ての状況を集約できる
- 細分化できる。次から次へと朝令暮改のように、大量の依頼、問題は起こるものだ
- クエリやタグなどで、分かりやすく出来るし、分析が可能
- マージやクローズ、マイルストーンなどを置きやすい
個人的に最高に疲弊するのは、「エクセルで大量の管理簿を作成する」ことである。
このパターンでは「Xを管理するためにY管理簿を作る」として、複数の帳簿を作成し、「それが仕事の全量」と錯覚することになる。
チャットやBTSから全ての情報を転記に転記を重ねるのだ。しかも、「うまく要約して、事実を正確に」だ。頭を使う。
その時間はどれだけ大変だろうか、何分考えねばならないのだろうか。エクセルは行追加やコピーだけでも処理時間がかかるから、それを意識的に、いくつものファイルで仕事することはイライラするものだ。
「その行為はなぜ廃れたのか」を振り返らないことで、謎アイデアが沢山生まれる。
pull request型評価ボード
何を言ってるかわからんが、つまりご承認的な会議文化は、最上位くらいまでは机上化したほうがよい気がする。つまり、変更点の資料は全て「生放送」ではなく、掲示板型のカンバセーションで修正を展開していくほうが、合理的な気がしている、ということだ。
簡易なものは階層的テキストだけで良い。複雑なものは、追加で動画などを収録し、ビジュアルとパワーポイントでいつでも見れるようにする。こうすることで、誰もが状況を、少しでも追いやすくなるのではないだろうか。
「生」の難しい点は、その場で指摘するスピード感が求められ、振り返り的な修正は殆ど疲弊することだ。 さらに、殆どの場合、お偉方ほど時間がロックされる。末端でもロックされる。 とにかく、会議の取り合い合戦で、特にPM系の人間は「無茶言うな」というアポイントメントに疲弊することになる。最初からPDCAで言う、CAをしっかりやろう、と、個人的には思う。
このとき重要になりそうなのは、ツールはレビュイーないしレビュアーがissueのチケットを切れる機能をもたせることだ。これによって、チームの片付けるべき「宿題」が決まる。口頭ベースでボヤッと決まった課題ではなく、決定事項だのなんだのという判断が入らない。問題とその根拠を述べることで、問題ベースでオープンかクローズか、で物事を決定できるようになり、そのメモもいらないので、便利になるだろうな、と思っている。
少人数会議
会議は少人数で良い。できれば、新人は「ブラザー」的な立場の人間とペアで出続けるのが望ましい。 なぜなら、話の決定権を握ってるのが、本気で数人とかであるからであることと、 「詰めの詰めに守ってくれる人がいる」ということは、本気で発言しやすくする勇気を生むからである。 それくらい、責任追求が激しく、叱責や逆にナアナアが好まれる現場では、師やベテランの意味は大きいものだ。
さて、この中で私が疲弊するのは「議事メモ」だ。これは強い人もいるから、私がてんでだめな性格と適性なのだろう。
とにかく、記憶力もヒアリング力もない。特にXさんとYさんだけで話が飛び交って自分の心が離れたような気分になると、最悪である。そんな作業を誰かに任せたくなるのは理解するが、口頭ベースには限界がある気がする。
私が提案したいのは「ポストイット」である。
つまり、主張したい奴が主張したいことを言葉にし、 それをホワイトボードに貼っていく。デジタルならmiroのようなものが良いだろう。 こうすることで、「発言のメモ化」を作り上げられるのではないだろうか。
ここで大事なのは、「考えタイム」みたいな、「個々人の作業」みたいな時間を設けることだと考えている。 沈黙が無駄だと捉えられすぎる。
これをテキストに記録させた後、AIに翻訳する。そんな感じに会議はできないだろうか、と思える。
アンケート
個人的に会議を減らすことに有力と考える案が「アンケート」である。
とくに事案のオンボード的な会議では、現状を知ったり、合意を得るための情報集めが重要になる。しかし、会議の場合、「こいつに投げとけばいいや」という人が多く、空気が重いので「そんなの聞いてない」という流れにもよくなってしまう。
殆どの場合、オープンクエスチョンの会議は殆どの場合上手くいかない。理由は上記の通り、空気の重みと思考の辛さだ。
アンケートの場合、強制的に全員に回答させることができる。自由に使えるフォームシステムがあったりすることで、幅広い人の考え方を知ることが出来、スケジューリングの指針になると期待できる。
また、クローズドクエスチョンなら、統計化し、情報をビジュアル化することも考えられるだろう。これにより、より正しいアイデアを選定しやすくなるとも考えられる。
リファレンス
なぜかドキュメントを作ったところで、「リファレンスを残す」ことをやる人は驚くほど少ない。なぜ隠したがるか謎である。
例えば申請書類系で、謎の項目があるのに、その事例が驚くほど書いてない。 悩みに悩んで提出し、いざ提出するとダメ出しをくらい、「知らんがな」となる。
実はこのような現場では、最初から50点くらいの答案を出すほうがベストプラクティスだと分かってきた。
ところが、新人の中には、「知らんのでやりません」といって、他人に投げるだけ投げて本気でサボりながら仕事をしているように見せている人間はいる。ちょっとは色々調べる努力をすればいいじゃん。
だがしかし。私も分からん、というものは多い。ぶっちゃけた話、このようなケースでは、殆ど「事例」なるドキュメントがあるだけでQEDだ。
なぜ、作らないのだ…誰も提供してくれないのだ…と思ったりもする。
息抜きの時間
チャットや会議では、息抜きのようなタイプのものもあっても良いと思う。 例えば「気になった技術」とか、「面白い話」とか、「日々の研究」、そういうやつだ。
雑談しやすいほうが、人となりやコミュニケーションもしやすくなって、面白いと思う。
色々なことに壁を作らないほうが、組織的に強い気がするのだが…
みなさんはどうだろうか。良いプラクティスがあれば、色々知りたいな。